線香花火みたいな音と周りを巻き込む香りが好きで、思い出す冬。
想いを馳せてるのは、過去じゃなくて君に。
きこえる?どこでも?そこからわたしが見える?
終わりを見据えたら怖くないなんて嘘だ。
悟りをひらけば、傷つく準備をしていれば、悲しくないなんて嘘だ。
苦手なものは苦手なままで、きらいなものはいつになってもきらいなままだ。
愛してるは軽々しくていいからいくらだって欲しいと言った。
口ずさむのはお揃いのメロディー。
口癖に手癖にまなざしに虜だった。
いつのまにか終わった17歳。
会えなくなってから10年、あなたはくたびれるほどつまらない男になっていて、私はもう子供にもなりきれなくて、噛み合わない時間を身を寄せ合いながら埋める。
たまに来る通知。
「思い出すことがある、もっと大事にすればよかった」
いつもそうやってつまらないことを言うところが嫌いだった。
きらいなものはいつまでたってもきらいなままだ。
あと、クリスマスの思い出だけれどずっと仕事だったから大人になってからは特になくて。
あの頃、枕元に置いてあったプレゼントよりも、私の髪を撫でて頬にキスしてくれる母がいたらそれでよかった。
過去じゃなくて、夢じゃなくて、君に。