東京なんて大嫌いだ
気持ち悪いほどの悲しさや虚しさや孤独をみんな抱えすぎていて
いつもの場所でタイムラプスを回すと吐きそうになる
反してわたしの感受性にピンポイントでささる光たちがうつくしくて
皮肉だなと笑う
目が回るのに何度もこれをやりたくなる
もう嫌なのに何度もここで悲しくなる
東京なんてだいきらい
ー彼女は美しい獣だった
今はあの時の不器用な彼女とはまた違う彼女になった
「どんな絵美でも美しい絵だから、うん、名前に意味がないことを気にしているならわたしがつけてやるから気にすんなよ、泣くの?うん、絵美の名前の由来はね、美しい絵だよ」
「千尋」
彼女は美しい獣だった
今は幸せを自ら壊すことをやめた彼女はよく笑う
「千尋」
反芻する
ずっとわたしに恋をしていていいよ
一生笑わせてあげるから
たくさん絵美を教えてよ
(愛してる)