渇いた部屋で幻ばかり見てしまう
電波を集める午前2時17分
耳鳴りだけのこの場所で
夜だけが長い
誰にも伝わることのないシグナルは
少しだけ迷ったあと
珈琲や、充電器や、スピーカー
温かい何かに付着して消える
夜だけが長いのに
その温もりは
加湿器の光がぼんやりしたあと
静かに消えていく
本当の悲しさを教えてあげる
理解したがるコンクリートを横目に
タクシーに乗り込んで走る首都高
夜だけが長い
メモリを消す
息ができる
高いビルのトップ
ひときわ明るい赤いライト
きみに会いたい
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玄関先から見える景色を
ずっとみていたい
あたたかい手のひら
きみが巻くjoint
鳴らすJennifer
死ぬまで